ケイ素の主要な役割
ケイ素の主要な役割は、アルミニウムから私たちを守ることです。 アルミニウムイオンは人の細胞にとって有毒です。
神経毒としてのアルミニウムは、人の脳脊髄液中に63 mcg/L蓄積するとその人は意識を失います。多くの有毒な金属と同様に、アルミニウムは一生の間に蓄積します。今日摂取したアルミニウムのうち、50年後でも体内にまだ4%が存在していると推定されています。
一般的に、一生の間のアルミニウム暴露は、脳組織1グラムあたり1mcgの蓄積をもたらします。これは平均的な70歳の人間の脳において、約300 mcgのアルミニウムに相当します。
飲料水中のアルミニウムとアルツハイマー病の発症との関係を比較する研究において、有意な用量依存性の相関を見出しました。さらに、アルツハイマー病患者の脳の検死結果では、最も神経細胞の損失があった脳領域でアルミニウムのレベルが上昇していることが示されています。
アルミニウムが脳に悪影響であることはよく知られています。また、心血管系にも良くありません。アルミニウムの曝露は血中のホモシステインを増加させ、内皮にプラークが蓄積することで動脈硬化を引き起こします。
ケイ素はアルミニウムの毒性から体を保護する低コストな手段です。
更にケイ素はさまざまな化学組成を持つことができます。その例の一つが水溶性のオルトケイ酸(OSA)です。
循環器系への影響
人々は常にアルミニウムにさらされています。アルミニウムは自然界の土壌に存在し、水・空気・多くの一般的な食品にも微量に含まれています。
自然に発生するレベルでは、問題は起こりません。しかし、化粧品・個人用品・市販の薬(酸制中剤、緩衝アスピリン)・焼き菓子(ベーキングパウダー)・加工食品・食品調理器具などにははるかに大量のアルミニウムが含まれています。
職業的な曝露は、一部の地域で大きな問題となっています。アルミニウムの生産に直接関与する人々は、非暴露の労働者に比べて血中濃度が10倍高い(24 mcg/L 対 2.6 mcg/L)です。これは高血圧・不整脈・虚血性心疾患の頻度の増加と関連しています。
これらの心血管の変化は、アルミニウムのホモシステインへの影響と関連しています。アルミニウムイオンはホモシステインのメチオニンへのメチル化を阻害することで、血中ホモシステインレベルを上昇させます。ホモシステインの急激な上昇は血圧を上昇させます。これが慢性的になると、結果として内皮の損傷と動脈硬化が生じます。
オルトケイ酸(OSA)は、アルミニウムの排除を促進することでホモシステインを低いレベルに保ちます。毎日のOSAの補給は血圧を下げ、動脈硬化を防ぐ効果があります。
OSA:見過ごされた欠乏症
私たちの食事におけるOSAの主な供給源は、いんげん豆などの種の皮や外皮、およびビールのような加工されていない植物で作られた製品です。
しかし、多くの人々はOSAが不足しています。私たちが食べる一般的な種や穀物ベースの食品(オートミール、小麦など)は、加工中にOSAを含む皮や外皮が取り除かれているからです。
医療専門家のうちOSAの欠如を栄養不足として認識している人はおおくありません。しかし実際のところ、OSAの欠如は多くの人々、特に高齢者、妊娠中の女性、および彼らの幼い子供たちに問題を引き起こす可能性があります。
年齢を重ねるにつれ、血液中のOSA濃度は着実に低下します。妊娠中は、アルミニウムの神経毒性から胎児を守るために、母体のOSAが優先的に胎児に運ばれるため、OSA濃度はゼロに近くなることも多いです。OSAの欠如や母親・乳児の高いアルミニウムレベルが組み合わされると、子供の自閉症のリスクが高まります。
ケイ素の主な研究結果
研究では、食事中にOSAを摂取した老齢のラットが脳内にアルミニウムを蓄積しないことが発見されました。
同じことが人間にも当てはまります。960 mcgのOSAを100 ccのオレンジジュースと一緒に経口摂取し、テスト用の30 mcgのアルミニウムを摂取した人々は、OSAなしでアルミニウムだけを摂取した対照群に比べて、血中のアルミニウム濃度が85%低いという結果が示されました。
また、OSAは人間によって容易に吸収され、尿と汗によるアルミニウムの排出を促進します。
ある研究では、飲料水中のOSAレベルが10 ppmを超えている場合、アルミニウムレベルが上昇していてもアルツハイマー病のリスクが低下していることがわかりました。
日常的なOSAの補給は、アルツハイマー病患者の認知機能を向上させることが示されています。